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映画「ガラスの動物園(1950)」 [映画]

小学生の頃、私は両親と6畳2畳の小さなアパートに住んでいた。その頃のお楽しみは、地元のローカル局であるサンテレビで週末に放映される洋画を見ること。ハリーハウゼン監督が撮ったと思われるコマ撮りアニメーションのモンスター映画、モノクロのB級SF、ハエ男や巨大サソリ、フランケンシュタインやドラキュラといったホラーなどの夢中になって見た映画の中に、ぽつんと入っていたのがこの「ガラスの動物園」である。

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小学生の私は大人のドラマは当然ながらパスしてたんだけど、この「ガラスの動物園」というタイトルにガラス張りの動物園の話だろうかと思いチャンネルを合わせた。船乗りの主人公の回想シーンとしてはじまるこの映画、裏口のように見える玄関のアパート。プライドの高そうな母親と、足が不自由で内気で閉じこもりがちの妹。彼女の行く末を案じた母が、息子で彼女の兄でもある主人公に誰かいい人がいないかと切り出す。会社の同僚を連れてくる主人公。やって来た彼にリードされて、徐々に心を開いていく妹。小学生の私が、普通なら決して見ない映画にぐいぐいと引き込まれていく...

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ガラスの動物園って何かと思えば、この妹がコレクションしていたガラス細工の動物たちのことだったんですよね。彼は誤ってその中の一角獣の角を折ってしまう。彼女が大切にしていた一角獣。謝る彼に「あなたの手術で、この子は仲間と一緒になれて良かったと思うよ」と言う妹。周りに溶け込めない自分をこの一角獣に重ね、彼にそこから救い出してくれることを求めたのか。この二人、うまくいったらいいなと思わされるけど運命はそんなに優しくなくて...

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この作品って、私が映画にはまる原点となる1本だったんじゃないかと、今になって思うことがある。同時に、映画の中の裏口のように見える玄関のアパートは、当時私が実際に住んでいたアパートと重なって懐かしい風景として私の記憶に刻まれている。ビデオやネット配信が当たり前となった今となっても、なぜかこの映画には再会できていない、そして再会するのが怖い気もする宝物のような映画である。

※最後の写真は恐らく舞台のものですが、アパートの玄関の写真が見つからないので掲載しています。

The Glass Menagerie
テネシー・ウィリアムズ原作 アーヴィング・ラバー監督
出演 ジェーン・ワイマン、カーク・ダグラス、ガートルード・ローレンス、アーサー・ケネディ
1950年アメリカ映画

タグ:洋画
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